糸ようじの使い方を種類別にご紹介!自分に合ったタイプを選ぼう
監修:歯科医師 安藤壮吾
毎日の歯磨きの際、歯ブラシ以外にどのような補助道具を使っていますか?
多くの方は歯ブラシだけで歯を磨いているかもしれませんが、歯ブラシだけでは毛先が届きにくい歯と歯の汚れを完全に除去することは難しいです。糸ようじ(デンタルフロス)を使うことで、歯ブラシでは取り除けない部分のプラークまで取り除くことができます。今回は、糸ようじの効果的な使い方と、どのようなものを選べばよいかについてお話ししていきます。
糸ようじ(デンタルフロス)には主に2つのタイプがあります
糸ようじには、主にホルダータイプと糸巻きタイプの2つがあります。
ホルダータイプ
この糸ようじは持ち手がついているため、使い慣れていない初心者の方でも使いやすいです。持ち手の形は「Y型」と「F型」があります。
「Y型」は上の前歯や奥歯
「F型」は下の前歯
というように、使用する部位に合わせて最適なタイプを選びましょう。ご自身にどのタイプが適しているかわからない場合は歯科医師にご相談ください。
糸巻きタイプ
使い慣れている方には、自分で長さを調整して使用できる糸巻きタイプの糸ようじがお勧めです。
このタイプには「ワックスタイプ」と「ノンワックスタイプ」があります。
ワックスタイプは糸の表面にワックス加工が施されており、滑りが良いため、歯間が狭い方や糸巻きタイプの糸ようじを初めて使用する方には使いやすいと言えます。
一方、ノンワックスタイプは糸の表面にワックス加工がないため、プラークを効果的に絡め取り、より高い除去効果を期待できます。
糸ようじの正しい使い方
糸ようじの使用時には、無理な使い方を避け、歯茎を傷つけないよう慎重に取り扱うことが重要です。
ホルダータイプ
- 鏡で確認しながら、歯と歯の間にゆっくり横にスライドさせながら入れる ※この時に力をかけ勢いよく入れると歯茎を傷つけてしまう恐れがあるので注意しましょう。
- 糸ようじを歯の表面に当て上下に3〜5回動かす
- 横に動かしながらゆっくり抜く
糸巻きタイプ
- 糸ようじを30~40㎝でカットする ※1回分は、指から肘までの長さが目安です。
- 指の間隔が15㎝程度になるように両手の中指に巻きつける
- 鏡で確認しながら、歯と歯の間にゆっくり横にスライドさせながら入れる ※この時に力をかけ勢いよく入れると歯茎を傷つけてしまう恐れがあるので注意しましょう。
- 糸ようじを歯の表面に当て上下に3〜5回動かす
- 横に動かしながらゆっくり抜く
糸ようじの使用に慣れるまでは、鏡を見ながら丁寧に行うことをお勧めします。
歯ブラシだけでは取り除けないプラークを除去するため、歯磨きの後で1日1回、細菌が繁殖しやすい就寝前に使用するのが最も効果的です。
糸巻きタイプを使う際は、節約のために短く切りすぎないように注意してください。適切な長さを使用することで、十分な清掃効果を得ることができます。
まとめ
毎日の歯磨きだけでは、歯ブラシの毛先が届かず歯と歯の間の汚れを完全に除去することが困難です。
糸ようじには、使用感や特性が異なる2種類のタイプがあります。お口の中の状態に合わせて適切なものを選ぶことで、虫歯や歯周病を予防することが可能です。選び方に迷った際は、お気軽に相談ください。
ただし、使い方を誤ると歯茎を傷つける恐れがあるため、慣れるまでは鏡を見ながら慎重に使用しましょう。また、使用中に糸が切れたり、引っかかったりする場合は、むし歯や不適合な詰め物、歯石が原因かもしれません。このような症状が見られたら早めに歯科医院を受診することをお勧めします。