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過剰歯の原因とは?子どもの歯の異常に早く気づくために知っておきたいこと

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監修:歯科医師 安藤壮吾



「お子さん、過剰歯しかもしれませんね」
歯科医院で突然そう言われて、戸惑いや不安を感じた親御さんもいらっしゃるのではないでしょうか?
本来あるべき歯の本数よりも余分に生えてきた歯(または、通常よりも歯が多いその状態)のことを「過剰歯」と言います。子どもの発育期に発見されることが多く、放置しておくと歯並びや噛み合わせに悪影響を与える恐れがあります。今回は、過剰歯の原因・リスク・治療法について詳しく解説します。


正常な歯の本数と過剰歯の特徴

通常、乳歯は20本、永久歯は28~32本あります。(親知らずの本数によって個人差があります)
しかし、この本数を超えて余分に歯が存在する場合、「過剰歯」と診断されます。
過剰歯の発生率は全体の約3%とされ、男性の方が女性よりも多く発症する傾向があると言われています。
特に多く見られるのは、上の前歯の中央(正中)部分で、レントゲン検査によって偶然見つかるケースがほとんどです。

過剰歯の原因とは?

過剰歯がなぜできるのか、正確な原因はまだ完全には解明されていません。しかし、以下の要因が有力と考えられています。

○歯胚(しはい)の異常
歯は、歯胚という小さな細胞の塊から作られます。この歯胚が異常に多く形成されたり分裂してしまったりすることで、余分な歯ができるとされています。

○遺伝的な影響
血縁者に過剰歯がある場合、子どもにも過剰歯ができる可能性が高いと言われています。

過剰歯の種類と位置

過剰歯にはいくつかのタイプがあり、主に以下のように分類されます。

○正中過剰歯
上の前歯の間や裏に存在する、最も多く見られるタイプです。

○順性過剰歯
正常な歯と同じように歯茎に沿って生えてくるタイプです。歯が生えてきてから抜歯をすることが多いです。

○逆性過剰歯
通常とは反対向きに生えるため、顎の骨の中に埋まったままのことが多いです。問題を起こさないと判断された場合は、そのままにしておくこともあります。

過剰歯を放置するとどうなる?主なリスク

見た目には大きな問題がないように見えても、実は過剰歯の放置には大きなリスクがあります。

◆歯並びの乱れ・不正咬合
過剰歯が永久歯の生えるスペースを奪い、永久歯が本来生えるべき場所に生えてこられないことがあります。歯列不正やすきっ歯(正中離開)などに繋がります。

◆虫歯・歯周病のリスク上昇
過剰歯があることで歯ブラシが届きにくく、歯磨きがしにくいために歯垢(プラーク)が溜まりやすくなります。

◆永久歯が生えない・生えにくくなる
過剰歯が邪魔になって、本来生えるべき歯が生えてこられずに歯茎の中に埋まったままになってしまうことがあります。

◆歯根吸収
顎の骨の中に埋まった過剰歯が原因で隣接する歯の根が溶け、根の中にある神経がダメージを受けて神経が死んでしまうことがあります。

◆嚢胞の形成
顎の骨の中に過剰歯があると、過剰歯のまわりに嚢胞(膿の袋)ができ、この嚢胞が永久歯の根の部分を溶かしてしまうことがあります。

過剰歯の治療方法とタイミング

抜歯のタイミング

歯の生え変わりの時期である、6~7歳頃に抜歯することが多いです。この時期は、永久歯の歯胚を避けながら治療しやすいためです。
ただし、状態に応じて経過観察を行うこともあります。

抜歯の方法

○生えている過剰歯
通常の抜歯と同じように局所麻酔をして行います。比較的簡単に抜歯可能です。

○骨の中に埋まっている過剰歯(埋伏歯)
歯茎を切開する外科的処置が必要です。CT撮影をして過剰歯の位置を正確に確認しながら治療を行います。

骨の中に埋まっている過剰歯の場合は、大学病院などでの専門的な対応が必要なケースもあります。精密検査を行なったうえで歯科医師が判断します。

親による発見のヒントと予防的対策

もし、過剰歯ではないか?と心配されている親御さんがいらっしゃったら、お子様のお口の中が以下のような状態ではないかを確認して、早めに歯科を受診してみましょう。

  • 前歯の隙間がふさがらない
  • 乳歯が抜けたのに半年以上経っても永久歯が生えない
  • 歯並びが急に乱れてきた

こうした異常に早く気づくのは、お忙しい親御さんには難しいこともあります。また、生え変わり時期になると、お子様が自分で歯磨きをするようになり、お子様のお口の中を見る機会が少なくなりがちです。
そのため、仕上げ磨きなどで口の中をチェックする習慣をつけたり、定期的に歯科検診を行なったりすることがとても大切です。
お子様の口の中の状態は、成長とともに大きく変わります。歯科医院での定期的な検診により、過剰歯の早期発見が可能になります。

ご自宅でのチェックと定期健診で早期発見を

過剰歯は自然に治るものではありません。早期に発見して歯科医院で正しい診断と処置を受けることが理想的です。
「見た目に異常がないから」と安心せず、6歳を過ぎたら一度歯科医院でレントゲン撮影を含むお口の全体的な検診を受けることをお勧めいたします。
また、過剰歯は大人になってから発見されることもあるため、親御さん自身の検診も大切です。
ご家族全員でお口の状態を正しく知って、適切な対処ができるようにしてみてはいかがでしょうか。

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