どうして歯茎は下がるのか?20代から始めておきたい歯肉退縮対策
監修:歯科医師 安藤壮吾
歯茎が下がってきたと感じたことはありませんか?歯肉退縮は年齢に関係なく進行します。放置すると口内トラブルに繋がる恐れがあるため、早めの対策が必要です。
この記事では、歯茎が下がる原因や、それにより引き起こされる口内トラブル、そして若い世代から始めるべき予防方法について解説します。
歯茎が下がる「歯肉退縮」は年齢に関わらず起こる
歯茎が下がる現象を「歯肉退縮」と言い、年齢に関係なく誰にでも起こります。これにはいくつかの原因があります。
歯周病
歯茎が下がる最も大きな原因は「歯周病」です。歯に付着したプラーク内で細菌が繁殖すると、歯茎に炎症が起こります。炎症は放置すると歯茎だけでなく歯を支える骨(歯槽骨)にも及び、骨を溶かしてしまいます。その結果、周りの歯茎も下がってしまうのです。
歯磨きの力が強い
毛が硬い歯ブラシを使ったり、強い力で歯磨きをしたりすることでも、歯茎は下がってしまいます。力強くゴシゴシ磨くと汚れがよく落ちるような気がするかもしれませんが、実際には歯茎を傷つけてしまい、それが原因で歯肉退縮を引き起こすことがあるのです。
歯ぎしり・食いしばり
歯ぎしりや食いしばりをすることでも、歯や歯茎に大きな負担がかかります。強い力が持続的に加わることで歯茎に負担がかかり、歯肉退縮へと繋がります。
歯茎が下がることで起こる口内トラブル
歯茎が下がると、見た目の問題以外にどのようなトラブルが口の中で起きるのでしょうか。
知覚過敏
歯茎が下がったことで、これまで歯茎で覆われていた歯の根元が露出します。その露出した部分に刺激が直接加わると知覚過敏の症状が起こります。
物が挟まる
歯と歯の間に隙間ができます。この隙間に食べ物が詰まりやすくなり、その部分の歯茎が炎症を起こし、歯周病が進行してしまうのです。また、詰まった食べ物が原因で虫歯になることもあります。
虫歯になりやすい
歯茎が下がって露出した部分は硬いエナメル質で覆われておらず、内側の柔らかい象牙質がむき出しになります。そのため、虫歯に対する抵抗力がなく、虫歯になりやすくなってしまいます。
症状が出る前に始めるべき歯肉退縮対策
一度下がった歯茎が元の状態に戻ることはありません。そのため、歯茎が下がる前に対策をすることが重要です。
自宅で行うセルフケア
歯肉退縮が起きないように、ご自宅でできるケアをご紹介します。
まず、毎日の歯磨きには「ふつう」もしくは「やわらかめ」の歯ブラシを使用しましょう。そして、力を入れすぎずに優しく磨くことが大切です。
また、歯茎の炎症や歯周病が進行することを防ぐために、歯ブラシだけでなく、デンタルフロスなどの補助道具も併用して歯磨きを行うようにしましょう。
歯科医院で行うプロフェッショナルケア
歯茎が下がらないようにするためには、日々の歯磨きが重要です。
しかし、いくら頑張っても完璧に磨くことは難しく、残ったプラークが歯石になってしまうことがあります。歯石はご自身の歯磨きだけでは除去できません。
定期的に歯科医院で歯科衛生士によるケアを受けると、現在の口腔内の状態を把握し、ご自宅でのケアにも役立てることができます。
しばらく歯科医院でのケアを受けていない方や、歯茎が下がってきたことが気になる方は、ぜひ一度当院でプロフェッショナルケアを受けてみませんか?専門のスタッフがあなたのお口の健康を取り戻すお手伝いをさせていただきます。