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子供のフッ素塗布はいつから始める?ベストなタイミングとその理由

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監修:歯科医師 安藤壮吾


親として子供の歯の健康を守るために何ができるのでしょうか?

代表的なものとしてフッ素塗布がありますが、どのように取り入れたらよいのか正確な情報を知っておくことが重要です。

この記事では、乳歯のケアが将来の永久歯にどのような影響を与えるか、また、フッ素塗布を開始すべき最適なタイミングについて解説します。


子供のフッ素塗布を始める最適なタイミング

フッ素塗布は、お子さんの健康な歯を守るために効果的です。とはいえ、歯磨きを嫌がったりなかなか口を開けてくれなかったりする我が子に、どのタイミングでフッ素塗布を始めるか、悩まれる親御さんは多いです。

多くの親御さんが、お子様の歯が1本でも生え始めたらすぐにフッ素を塗るべきだと考えがちです。しかし、実は1歳未満のお子様の場合、歯の本数がまだ少なく、唾液による自然な抗菌作用が働きやすいため、無理にフッ素を塗布する必要はありません。

フッ素塗布を始める最適なタイミングは、1歳半前後です。この頃になると、歯の本数も増え、食事の種類も多様化するため、虫歯のリスクが高まります。

フッ素塗布は定期的に繰り返し行うことで効果が出やすく、お子さんの永久歯が生え揃う14〜15歳ごろまで定期的に継続していただくことが推奨されています。この長期間にわたるフッ素の保護作用によって、虫歯から歯を守り、健康な口内環境を保ちやすくなるのです。

乳歯の頃からフッ素塗布を始めた方がいい理由

乳歯が生え始めた時からフッ素塗布を行うことは、乳歯を守ることはもちろん、将来的に生えてくる永久歯にも良い影響を与えます。効果について、具体的にお伝えします。

フッ素は生えたばかりの歯を守ります!

生えたばかりの乳歯は、その構造からも非常に脆弱です。フッ素塗布を行うことで歯質を強くし歯を守ることができます。

✅エナメル質の強化

乳歯のエナメル質は永久歯に比べて薄く、未熟なため、虫歯になりやすいです。フッ素はエナメル質を強化し、酸による脱灰を防ぐ助けとなります。

✅虫歯菌の働きを弱める

乳歯のエナメル質は永久歯に比べて薄く、未熟なため、虫歯になりやすいです。フッ素はエナメル質を強化し、酸による脱灰を防ぐ助けとなります。

✅再石灰化の促進

フッ素は歯の再石灰化を促進し、初期の虫歯が修復されやすくなります。このことにより、虫歯の進行を抑えることができます。

これらの理由から、乳歯が生え始めた時期にフッ素塗布を開始することは、子供のお口の健康を保つために非常に有効な予防策となります。

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日常生活におけるフッ素の活用方法

フッ素は虫歯を防ぐのに非常に効果的な成分です。その効果は、学術論文でも証明されています。

毎日の生活の中でフッ素をうまく活用することで、歯を長く健康に保ちやすくなるのです。ここでは、自宅でもできる簡単なフッ素の活用方法をいくつかご紹介します。

毎日の歯磨き

虫歯予防には、フッ素の力をうまく活用することが効果的です。日々の歯磨きにフッ素配合の歯磨き粉を使うのもその1つです。

市販の歯磨き粉には様々なフッ素濃度の製品がありますが、一般的には比較的低濃度のものが多いです。そのため、効果を高めるためには定期的な使用が推奨されます。

<フッ素含有の歯磨き粉について>

・歯磨き粉の選び方

適切なフッ素濃度の歯磨き粉を選び、毎日使うことが大切です。子供用の製品を選ぶ際は、特に濃度に注意して選んでください。2023年1月からフッ素濃度の推奨量の基準が改訂され、0歳からでもフッ素濃度1000ppmの歯磨き粉が使用できるようになりました。

・使用量

フッ素含有の歯磨き粉は、適正量を守ることで効果が発揮されやすいです。使用量の目安を以下に記載します。

  • 歯が生えてから2歳まで:フッ素濃度1000ppmの歯磨き粉で、使用量は米粒くらい。
  • 3~5歳:フッ素濃度1000ppmの歯磨き粉で、使用量は5mmくらい。
  • 6歳以降:フッ素濃度1500ppmの歯磨き粉で、使用量は1.5~2cmくらい。

ブラッシング後にフッ素が歯にしっかりと作用するように、うがいは少量の水(10mlくらい)で軽くすすぐことがポイントです。これにより、フッ素が口内に留まりやすくなり、より効果を発揮しやすくなります。

<その他のフッ素製品>

フッ素洗口液とジェル

歯磨き粉以外にも、フッ素が含まれる洗口液やジェルも市販されています。

ジェルタイプのものは、歯磨きした後に塗布することで、歯にとどまりやすくフッ素が作用しやすいです。お口の中をすっきりさせたい方は洗口液がおすすめです。特に就寝前に使用すると、就寝中にフッ素が歯に作用し虫歯予防効果を高めます。

定期検診

市販されている歯磨き粉の中にもフッ素は含まれていますが、その濃度は比較的低めです。より虫歯予防効果を高めるためには、歯科医院で定期的に高濃度のフッ素塗布を受けることをお勧めします。3ヶ月から6ヶ月ごとの定期健診の際にフッ素塗布を行う歯科医院が多いです。

歯科医院でのフッ素塗布のポイント

・塗布後の注意

フッ素塗布後は、その効果を最大限に引き出すために30分間はうがいや飲食を避けましょう。これにより、フッ素成分が歯にしっかりと取り込まれやすくなります。

・費用と頻度

フッ素塗布は予防処置なので自由診療とされ、保険適用外です。費用は一般的に500円から3000円程度で、歯科医院によって異なりますので、事前にクリニックに確認することをお勧めします。

ただし、初期虫歯が確認された場合は、保険適用になることもあります。その場合は、保険の規定により3ヶ月に1度フッ素塗布が行えます。

フッ素塗布は、「治療」ではなく「予防」のためのものです。このため、自分の歯を長期的に健康に保つための大きなステップと言えます。

市販の歯磨き粉による毎日のケアと併せて、定期検診時にフッ素塗布を受けることで、より効果的な虫歯予防が可能になります。

フッ素と定期検診について詳しくはこちら

フッ素塗布を習慣化して歯を強くしよう

フッ素塗布は一度の処置で完了するものではありません。

効果的な虫歯予防のためには、毎日の歯磨きと併せて、定期的にフッ素塗布を続けることが重要です。

しかし、歯科医院は小さなお子さんにとって怖い場所と感じられることもあるため、実際にこれらの処置を受けることが難しい場合があります。そのため、歯磨きやお口のチェックなどによって、お子さんに少しずつ歯科医院へ慣れていただくことも大切です。

お子さんの歯の健康は、親御さんの関わり方によって大きく左右されます。乳幼児期から適切な口内ケアを習慣化することは、子どもの健康な歯を将来的に守っていくために非常に重要です。そのためには、歯科医院で定期的に検診を受けていただくことをお勧めしております。

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