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舌が動きにくい「舌小帯短縮症」には手術が必要?治療法や放置するリスクについて

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監修:歯科医師 安藤壮吾



「舌小帯短縮症」とは、舌の裏側の付け根付近にある舌小帯が太く短いことで、舌の動きを悪くさせてしまう症状です。症状の程度は、軽度・中等度・重度と分かれています。重度の場合は、ほとんど舌をあげることができないため、外科治療が必要になることもあります。お子さんの成長の妨げになってしまうこともあるため、早めに気づくことが大切です。

今回は、舌小帯短縮症について「症状の程度」「治療法」「そのままにしておくリスク」について解説します。


舌小帯の異常「舌小帯短縮症」とは?

舌小帯とは、舌の裏側に付着している筋のことを言います。舌を上げて、舌の裏側の付け根を見ていただくとわかりやすいです。赤ちゃんのうちは基本的に短く太いですが、体の成長とともに舌の成長が進むと、少しずつ細くなり後退していきます。
しかし、後退せずに太く短いままだと、舌の動きが限られてしまい「舌小帯短縮症(ぜつしょうたいたんしゅくしょう)」を引き起こすことがあります。

舌小帯短縮症は、別名「舌癒着症(ぜつゆちゃくしょう)」や「つれ舌」とも言います。生まれもった先天的な性質が原因となりやすく、舌小帯が短く硬いことで起こります。他にも、舌自体が短いことが原因となる場合もあります。

症状としては、

  • 発音がうまくできない
  • 舌をうまくあげられない
  • 舌をべーと出したときにハート型になる
  • 歯並びの悪化

などが挙げられます。
お子さんがおしゃべりができるようになったときに滑舌や発音に影響しやすいため、お子さん自身も不安に感じることがあるでしょう。そのため、乳幼児期に気づいてあげられることが大切です。

舌の状態をセルフチェックしてみましょう!

ご自身あるいはお子さんの舌の状態を、鏡を見ながらチェックしてみましょう!
3項目以上チェックが入った方は「舌小帯短縮症」の可能性があります。

  1. 舌をべーと出すと、舌の先端部分がハート型のようになっている
  2. 口を開けたときに、舌が上顎まで持ち上がらない
  3. 舌全体が上顎に吸着せず、舌と上顎の間に隙間ができる
  4. ラ行、タ行、サ行が発音しにくい、あるいは聞き取りにくい
  5. 乳児への授乳がスムーズに進まない
  6. 食べ物を飲み込みづらい
  7. 口がポカンとあいている(口呼吸の可能性)
  8. 口の開閉時に顎関節(こめかみあたり)からカクンと音がする

舌小帯短縮症における症状の程度

「軽度」の状態であれば、舌のトレーニングを行いながら経過観察を行います。しかし、「中等度」「重度」の状態になると、外科的な治療が必要になることもあります。
治療方法について詳しく解説します。

<軽度>
舌を上げたときに、舌小帯が細い筋状になります。
また、口を大きく開けた際には、舌の先端を上顎や左右の口角につけることができます。
ラ行の発音が難しく感じることがありますが、他の発音は問題なくできます。

<中等度>
舌を上げると、はっきりと白い筋、あるいはヒダや膜状の舌小帯が確認できます。
口を大きく開けた時には、舌の先端を上顎につけることができませんが、口の開き方を半分くらいにすればつけることができます。
舌を前に出すと、舌の先端部分が舌小帯に引っ張られて、舌がハート型にみえます。

<重度>
舌を前方に出そうとしても、唇より外側には出せません。舌小帯の付着が強く、舌を上げることや、舌小帯自体の確認が難しいこともあります。

舌小帯短縮症の治療方法

「軽度」の場合は、舌が動く範囲を拡大するために、舌トレーニングを行います。
1日10分程度を毎日行い、数ヶ月継続することで効果が出やすいです。舌が動く範囲は体の成長に伴い変わるため、成長期には経過観察に留めるケースも少なくありません。

「中等度」~「重度」の症状がみられる場合は、治療が必要になることもあります。
中等度であっても、経過観察やトレーニングによる改善が見られない場合は、医師の診断により外科治療を行います。

手術は、部分麻酔による処置であれば日帰り可能です。治療中にじっとしていることが難しい小さなお子さんの場合は、安全を考慮して全身麻酔で対応することもあり、その際は、2泊3日の入院が必要になります。

◆舌小帯手術の流れ
麻酔を行ってから、アレルギー症状がないか確認し、手術を開始します。小帯を切開し、止血して完了です。縫合が必要な場合もありますが、麻酔から切開、縫合、止血まで30分くらいで完了します。術後は、2~3日くらいで普段どおりに過ごしていただくことができます。

舌小帯短縮症により、発音に問題がある場合は、術後に舌トレーニングを行います。これは、舌の癖の改善や舌の動きをよくするための、いわばリハビリです。言語聴覚士などの専門家によって行われることもあります。

舌小帯短縮症をそのままにしてしまうと...

〇うまく発音ができない
舌の動きが悪く、舌の先端を上顎につけられないと、「サ行」「タ行」「ラ行」の発音がうまくできません。滑舌が悪い、はっきりと言葉が話せないと感じる方は、舌小帯短縮症が疑われる場合もあります。

〇口呼吸になりやすい
正常な呼吸の仕方は、鼻呼吸です。鼻呼吸をする時は、舌の先端が上の前歯の裏側の歯茎付近に接触します。舌全体が上顎に吸着しているため、口から空気が出入りしにくいです。
しかし、舌小帯短縮症の場合、舌が上げにくくて下がった状態になるため、上顎と舌の間に隙間ができて口呼吸になりやすいです。

〇哺乳や食事がうまくできない
赤ちゃんが哺乳を行なう時は、母親の乳首を上下の唇でしっかりと挟み、舌で乳首を上顎に押しつけながら行います。しかし、舌小帯短縮症で舌が上げられないと、うまく哺乳できず、栄養の吸収や体の成長に影響を及ぼすことがあります。
また、食事の際、食べ物は舌で動かしながら咀嚼することで均等に咬み砕かれます。しかし、舌の動きが悪いと、食べ物がうまく咀嚼できず、胃腸や腸などの消化器官に負担をかけてしまうことがあります。

〇歯並びの悪化
歯が生える位置は、舌が歯の内側から押す力と、唇が歯の外側から押す力のバランスで決まります。舌小帯短縮症の場合、食べ物や飲み物を飲み込むときに、舌が上がらず下に位置することで下の前歯を押す力が強くなるため、前歯が前方に出やすくなります。そうすると、歯並びや咬み合わせが悪化することがあります。

舌小帯手術に関するQ&A

Q1 舌小帯の外科治療はどのくらい痛みを感じますか?
A:治療前に麻酔を行いますので、治療中は痛みを感じることはありません。通常は舌への部分麻酔で行いますが、治療中に動いてしまう子は、安全を優先して全身麻酔で対応させていただくことがあります。
なお、治療後に麻酔が切れてくると、治療した箇所が痛み出すことがあります。その場合は、痛み止めを処方して対応します。

Q2 治療後の食事で気をつけることはありますか?
A:治療後に制限されている食べ物は特にありません。ただし、治療後の傷口は刺激を受けやすいため、熱いもの、硬いもの、辛いものはなるべく控えましょう。
傷口が治るまでの数日間は、軟らかい食べ物の方がスムーズに食事できます。

Q3 舌小帯手術は保険診療で対応してもらえますか?
A:舌小帯手術は保険診療で行うことができます。しかし、入院やトレーニングに関しては自費診療の扱いになることがあります。舌の状態や処置方法によって金額が変わることもあるため、事前に確認しておきましょう。

Q4 舌小帯手術後の定期的な通院は必要ですか?
A:手術した次の日には、傷口に問題がないかドクターがチェックします。傷口を縫合した場合は、手術の1週間後に抜糸を行います。
舌小帯を切開した部分が、再度付着してしまったり、構音障害を改善するためにトレーニングを行なったりする場合は、月1回の頻度で数ヶ月間の通院が必要です。

Q5. 小帯手術により発音は良くなりますか?
A:舌小帯と繋がっていた部分が切り離されたことで、舌が動かしやすくなり、発音が改善しやすいです。
しかし、舌の筋力は低下しているため、正常な動きを行うためには術後のトレーニングが重要です。長年の舌の癖の改善や筋力強化をしながら、発音がうまくできるようにサポートします。

定期的な歯科検診で舌小帯異常の早期発見を!

舌の動きは、歯並びや発音、咀嚼、呼吸など、様々なことに影響を及ぼします。
しかし、舌小帯短縮症で太く短い舌小帯が舌に付着していると、舌の動きが制限されてしまい、これらの機能が正常に働きません。
お子さんの発育に影響を及ぼすこともあるため、早めに気づくことが大切です。

まずは、舌をべーと出したときにハート型になっていないか、舌を上げて舌小帯が太く短くないかを確認してみましょう。
歯科医院の定期検診では、歯だけではなく、お口の中全体のチェックを行うため、舌小帯短縮症を早期に発見しやすくなります。

お子さんの歯並びや、発音、口呼吸など、気になることがあればお気軽に当院へご相談ください。

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