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歯科医院の感染リスクの実際


【The Workers Who Face the Greatest Coronavirus Risk】
By Lazaro GamioMarch 15, 2020

最近よく取り上げられる3月15日にニューヨーク・タイムズに掲載されたこのグラフ、「コロナウイルスに直面している職業」というタイトルと相まって、かなり誤解を招くグラフだと感じています。

このグラフ、「歯科医療従事者は感染リスクが高い!これは新発見!」というように扱われていますが、「X軸は人との距離」、「Y軸は病気への暴露」で構成されていますので、右上に位置する職業は、単に「病人と距離が近い職業」というだけです。

「医療従事者が病人と距離が近い職業」だと言うことは、新発見どころか、医療従事者にとっても、一般の方にとっても周知の事実です。

「感染リスクが高い職業相関表」のように扱われていますが、「無防備、無対策の場合、感染リスクが高い職業相関表」に過ぎません。

このグラフに意味を持たせるとすれば、「どの程度、感染対策を行なっているか」というZ軸が必要になります。私達、医療従事者は、職場で清潔な白衣に着替え、正しく手指洗浄を行い、ディスポーザブルのマスクとグローブを装着し、さらにアルコール消毒を行なって診療しています。また、清潔域と不潔域を理解し、触れてもいい場所と触れてはならない場所を無意識レベルで区別しています。

「どの程度、感染対策を行なっているか」というZ軸があれば、歯科医療従事者は「病人と距離が近い職業であるが、日常的に感染対策を行なっている職業」というカテゴリーに入るわけです。

このグラフの左下に位置する「病人と距離が遠い職業」の方であっても、Z軸が「全く感染対策を行なっていない」とすれば、そちらの方が、感染リスクが高い職業ということになります。

読者に危機感を持ってもらうことは重要だと思いますが、新聞は「正確な根拠と分析」の上に報道しなくてはならないと思います。

ニューヨーク・タイムズには、このグラフに「どの程度、感染対策を行なっているか」というZ軸を加えて、再度記事にしてもらいたいところです。

このグラフを見て、不安に駆られた患者様の誤解が解消さればと思い投稿しました。

ウイルスの感染予防には免疫力と、全身的な合併症をいかに起こさないかということがキーとなります。

口腔内の最低限の環境を維持できなければ、免疫力や糖尿病の悪化などさまざまな弊害も起きてしまいます。

厳しい現状ではありますが、頑張って乗り越えていきましょう!


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